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認知症とは、物忘れ、日付けを間違えたり、場所や人を覚えられなくなったりするなどの症状を持つ脳の病気です。超高齢社会となり、認知症患者は、急増しています。厚生労働省の調査によると、認知高齢者は、2012年は462万人、2025年には700万人以上になるとされています。高齢者の15%が認知症、4人に1人は認知症とその予備軍(軽度認知障害、MCI)とされています。年齢が上がるにつれて認知症の高齢者は増加し、85歳以上の40%以上が認知症となっています。

1)認知症の種類

認知症で最も多いのがアルツハイマー型認知症で、認知症全体の認知症全体の半数以上を占めます。ついでレビー小体型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭型認知症となっています。脳血管性認知症の割合は、治療や予防法の進歩によって減少傾向にありますが、アルツハイマー認知症は、増加傾向にあります。

a)アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)

脳の細胞が減っていき、記憶障害、学習障害などが起きる認知症です。やたら食べたり、食べ物に無関心になり食べなくなったりします。少しずつ症状は、進行していき、重症になると食べることや着替えができなくなり、最終的には寝たきりになります。原因は解明されていませんが加齢、遺伝、環境、生活習慣が原因になっているとされています。

b)レビー小体型認知症

小阪憲司横浜市立大学名誉教授が1976年に発見、1995年に名付けられた認知症。よだれがたくさん出たり、嚥下障害がおきます。症状の変動が大きく、運動障害、幻視、睡眠障害などの症状があらわれます。

c)脳血管性認知症

脳卒中(脳梗塞、脳失血、くも膜下出血)によって現れる認知症。脳の血管が詰まったり、敗れたりして、その部分の脳の働きが悪くなることによっておきます。歯周病が進行して歯肉の炎症がおきやすくなります。

d)前頭側頭型認知症

人格障害(怒りっぽくなる他)、食行動の異常(同じものしか食べない他)、食べ物の無関心、言語障害(失語)があらわれる認知症。他の認知症と異なり、初期には記憶が保たれている為、気付かないこともあります。

e)その他

脳腫瘍、シェーグレン症候群、ベージェット病、慢性腎臓病などの病気も認知症の原因になることがあります。

2)2017年9月に九州大学の研究グループは、歯周病菌が出す毒素ジンジパインが脳の炎症を引き起こし、アルツハイマー型認知症の症状の悪化に関与していることを発見しました。アルツハイマー病は発症25年前からアミロイドβ(脳細胞を傷つけてしまう物質)の蓄積が始まり、発症15年前から脳(海馬)の体積が減少し、軽い物忘れが始まるとされています。認知機能の低下が進み、発症5年後には要介護になるとされています。若い頃からの歯周病の予防や治療がアルツハイマー型認知症の発症予防や症状悪化を防ぐ可能性がある事が示されました。

3)歯の本数と認知症の関係

歯周病の予防や治療を行うことは、認知症を予防することにも繋がります。歯の本数が多いほとほど認知症になりにくい傾向があります。名古屋大学の研究グループが行った調査では、70歳後半の健康な高齢者の歯の本数は平均9本だったのに対して、脳血管性認知症患者の歯の本数は、平均6本、アルツハイマー型認知症患者の歯の平均本数は、3本でした。噛むことが脳を活性化させ、認知症を防ぐと考えられています。また頭部をCTで撮影しその画像を調べてみると、残っている歯の本数が少ない人ほど記憶力や学習能力に関わる海馬や、意思や思考に関わる前頭葉が小さくなっていること、歯周病がアルツハイマー型認知症の症状を悪化させることが明らかにされました。

4)認知症の予防

歯周病は、歯を失う最大の原因ですが、歯の本数が少ないほど、認知症になりやすい傾向にあります。また歯周病は認知症最大の要因であるアルツハイマー型認知症を悪化させるとされています。毎日歯をしっかり磨くだけでなく、定期的に歯科医院で歯のクリーニングなどを行うことは、歯周病の予防や治療にとって大切なことです。

5)認知症と診断されたら

認知症の症状が進むと、口を開くことを拒むなどして治療が難しくなることがあります。認知症と診断されたら早めに受診して、必要があれば歯科治療を行うことが大切となります。また、歯科医師や歯科衛生士による専門的な口腔ケアを行うことは、認知症の症状の進行抑制に効果があることが研究報告されています。定期的に口腔ケアを行うことが大切となります。歯科治療や口腔ケアは歯科医院での通院が困難であれば、訪問歯科診療を自宅や施設で受けることが出来ます。

 

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